南アルプス:鳳凰三山
 
《薬師岳(2780m)〜観音岳(2840m)〜地蔵岳(2764m)》
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 2006年8月26日〜8月28日

厳しい残暑から脱出し高山の涼風を受けアルプスの山々大眺望と高山植物を楽しみに出掛けた。
肝心の天気が現地に近づくに連れて悪い方向となり、下山日の朝、晴れた以外はほとんど、
ガスと雨で日本を代表する名峰の大展望を味わうことが出来なかったのは残念だった。
残念なことを払拭して、進行先の身近な風景だけに眼を向けることに頭を切換えた。
薬師岳から、まるで雪のような白砂の稜線歩き長年の風雪に耐え自然の作り出す芸術品のハイマツ
高山植物のタカネビランジ、ヒメシャジン、この山でしか見られないホウオウシャジンなど彩る
また鳳凰小屋では、まだ登録されてないという珍しいシラヒゲソウを見せてもらった。
鳳凰山では、想像以上の貴重な高山植物の多さにあらためて感動した。
 
 
8月26日(土)北九州:晴れ、東京:曇り、青木鉱泉:雨
北九州空港(8:45)⇒羽田空港(10:15)⇒新宿駅着(11:20)、新宿(12:30)⇒高速バス⇒甲府駅(15:20)⇒JR⇒韮崎駅(15:50)⇒タクシー⇒青木鉱泉(16:40)
北九州は30℃を越す猛暑続き、羽田空港で25℃青木鉱泉辺りでは、この所午後は雷が鳴って空模様は好くないとのこと。とうとう宿泊地青木鉱泉も18:00頃から降雨となり一晩中降り続いた


8月27日(日)雨&曇り
青木鉱泉(5:05)→御座石(9:50)→薬師岳(11:30)→観音岳(12:30)→アカヌケ沢の頭(13:00)→地蔵岳(13:30)→鳳凰小屋(15:15)
 
雨衣を着けてのスタートだったが、登山口に取り付く頃には雨具も脱げるほどになった。この鳳凰山中道コースは、森林限が尾根筋に出るまで続ので、暑い時季の雨の日は大変であるが、ホント助かった。

標高差1600mのカラマツ林、シラビソなど続く樹林帯の登り一辺倒をひたすら登るのが、今日の仕事と思っても、景色が見えないとなると一層足取りが重たい。
途中の見物箇所は、大岩の御座石ぐらいで、後はただ狭い急登を6時間半かけ上るだけである。
尾根筋では、幾度か雨具着けたり脱いだりのすっきりしない天候が続くが、岩元と白砂地にポツリポツリ咲くタカネビランジを見ると、燕岳のコマクサを想い出させてくれる。
今回の最大の目玉オベリスクに近づく頃、また雨が降りはじめ、大したことはなかろうと上カッパしか着けなかったら、今度は本格的な雨となってきた。

オベリスクの三角錐の岩場には垂直に2本の固定ザイルが設置されているが、ザイルが岩の割れ目に挟まって
手が届かない、おまけに登頂を目指す時には濡れたズボンが足に絡みつき登り難い、無理は怪我に直結するので、諦めて下ることにした。
オベリスク下の賽の河原には子授け地蔵仏、数十体が並んでいる。みんなこの頃が疲れもピークか?はたまた子授け地蔵に無縁な人ばかりで? 祈願に登って来る姿は見かけなかった。
雨も激しくなり鳳凰小屋へ白砂の坂道を下る。富士山を思わせるような急な須走りをズルズルと滑るように下る。
この地蔵岳から鳳凰小屋までの一帯が一番花が多く咲いていた。


8月28日(月)晴れ曇り
鳳凰小屋(5:50)⇒五色滝(6:35)⇒白糸の滝(7:05)⇒鳳凰の滝(7:55)⇒南精進の滝(8:30)⇒堰堤(9:30)⇒青木鉱泉(10:20)入浴。
 
昨晩は19時30分消灯で仕方なく就寝、夜中に幾度か眼が覚め4時頃外に出てみると満点の星空が美しい。小屋を出発する頃は素晴らしい晴天で、昨日霧隠れの地蔵岳方面がクッキリ姿を見せている。
今日は、この鳳凰小屋から青木鉱泉まで標高差1200mを4時間半かけて下るのである。
下山はじめ、雲海に浮かぶ富士山を一瞬望めたが、後は深い樹林帯を1時間も下らないうちに雲が上がってきた、朝靄に太陽の日射しと大樹林の木影は実に幻想的である。
途中、五色滝、白糸の滝、鳳凰の滝、南精進の滝と休憩を兼ね見に立ち寄る。然し白糸の滝は霧と滝の飛沫でハッキリ見れなかったが規模お大きさは感じられた。

下山道が急峻でジグザク、長丁場のため足が諤々の人もいたが、なんとか予定の11時前に青木鉱泉に到着。この場所で入浴1000円、ビール500円は高いと思うが、みんなが飲み干した缶ビールが山ほど見送っていた。

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