2009年8月2日(日)〜6日(木)
磐梯朝日国立公園の朝日連峰は北に月山、南に飯豊連峰を擁する山形県と新潟県の県境に位置する深い山である。 朝日連峰は「朝日岳」という単独の山名はなく、20座以上の山が連なる大山地で主脈、支脈う含めて「朝日岳」として、 アプローチが長く避難小屋を利用しなければこの山は縦走することはできない。 小朝日岳(1647m)大朝日岳(1870 m)西朝日岳(1814m)の総称が「朝日岳」で、狭義には「大朝日岳」をさすらしい。 今回、北側の泡滝ダム登山口からの縦走で尾根筋のスカイラインはお花畑のオンバレードで避難小屋2泊で南側の 朝日鉱泉へ下山することになっている。 |
《初日》 8月2日(日)晴れ 『福岡〜山形県大鳥集落(朝日屋旅館)』 福岡空港09:10発⇒(ANA)⇒仙台空港10:55着・仙台空港駅11:22⇒(空港アクセス線)⇒仙台駅11:46〔自炊用ガス購入〕 仙台駅前13:40発⇒(高速バス)⇒庄内朝日高速バス停15:30下車⇒(予約タクシー:6610円)⇒旅館:朝日屋16:05着【泊】 飛行機へ燃料ガスの持ち込みが禁止になり、仙台駅で自炊用ガス販売店探しに時間がかかり、ひとバス乗り遅れてしまう。 高速バス庄内朝日で下車、タクシーに乗った時は雨がぱらついていた。ドライバーの話では昼からこんな空模様という。 朝日屋旅館には35分で到着。釣りの名所でもあるこの宿には大きな岩魚の魚拓が所狭しと張り巡らされている。 宿泊は我々の他2人だけで、入浴後まずビールに盛り沢山の山菜や川魚料理を美味しくいただきゆっくりのんびりする。 明日からの避難小屋泊りを思うと更に風呂に入り、天気回復を願がって早めに床に就いた。 |
仙台空港から仙台駅着 | 仙台駅前、高速バス乗り場 | 庄内朝日で:高速バス下車 | 朝日屋旅館に到着 |
《2日目》 8月3日(月)曇り、雨、晴れ 『朝日屋旅館〜泡滝ダム登山口〜大鳥池〜以東小屋』 朝日屋05:30発⇒(ワゴン車)⇒泡滝ダム登山口05:57⇒朝食06:40〜07:00⇒吊橋07:15⇒七っ滝沢吊橋07:40⇒ 大鳥小屋09:15〜09:45⇒昼食11:05〜11:30⇒三角峰12:00⇒オツボ峰13:30⇒以東岳14:55⇒以東岳避難小屋15:10着【泊】 怪しかった空は七つ滝沢吊橋を過ぎた頃から降りだし雨具を付ける。深いブナ林の沢添いを歩く視界なし蒸し暑さに耐えな がら、ひたすら登る途中には柄杓を備えた水場が随所にあり苦しい気分を和らげてくれる。 泡滝ダムから約3時間ほどで、巨大魚(タキタロウ)伝説の大鳥池に到着。湖畔に建つタキタロウ山荘(大鳥小屋)で天気は 回復傾向となり雨具を脱ぐ、身体がスーッと軽くなった。この湖畔を暫く歩くと分岐に至る。花の多いオツボ峰の左コースへ 進むことに、いきなり急坂連続でここから尾根筋の三角峰まで喘ぎなが登る。ここまでくると「ヒネサユリやキスゲ」が迎えて くれやっと花の山に来たという感じがする。 尾根筋はお花畑が次々現れ、マツムシソウ、チングルマ、ハクサンイチゲ、シャジン、ギボウシ、トラノオ、ウスユキソウ、 フウロ、リンドウなどなど、以東岳避難小屋周辺まで続き、花の種類の多さと、その規模の大きさと感動的な美しい花畑の 連続でした。なかでもなかなか群落をみることのない「ヒメサユリ」には狂喜の思いがした。 以東避難小屋には雪で冷やしたビール500ml(1000円)があるが、先ず往復25分の水汲みに下りなければならない、水場 まで雪渓横の道は足場が悪く疲れた足にはしんどかった。暑さに冷たい美味しい水をガブ飲みしてしまい、小屋へ戻って 飲むビールの味は半減した。小屋は高山植物に囲まれた位置に建てられ小奇麗で洒落ていた。 |
《3日目》 8月4日(火)晴れ 『以東小屋〜寒江山〜西朝日岳〜金玉水〜大朝日小屋〜大朝日岳』
以東小屋05:20⇒以東岳05:25⇒お花畑の連続⇒狐穴小屋07:55〜08:20⇒寒江山09:40⇒竜門小屋〈昼食〉12:05〜12:40
⇒西朝日岳13:20⇒金玉水〈水汲み〉14:55〜15:20⇒大朝日避難小屋15:35着【泊】 *大朝日岳往復:明け方と夕方
以東小屋の日の出は厚雲と朝霞みでみることはできなかった。小屋からなかなか軽くならないザックを担いで以東岳へ戻り、
これから辿る朝日の主稜線を望むと、目指す朝日岳の三角錐は遥か遠くにその雄姿を見せている。
その主尾根のスカイラインにはいくつもピークがあり、これからのアップダウンの苦しさが思い知らされるようでうんざりする。
然し、小屋を出てから雲海の素晴らしい朝の山岳風景は、この世のものとは思えないほどの全く素晴らしい眺めだった。
山岳風景と高山植物の咲き乱れる草原を歩きながらから、何度も立ち止まり写真撮影を繰り返す。
この主稜線にはハクサンシャジン、ミヤマリンドウ、ハクサンフウロ・・・などなど次々と美しい花がみられる。寒江山一帯は
まるで薄雪がつもったように一面ウスユキソウの群落がみられ。
夏山の陽射しは強烈に照りつけ暑いが、次々かかる湧き雲に遮られ行動中は暑いものの気温は22℃前後でジッとしている
分には心地よいいくらいである。
途中、水場のある狐穴小屋、竜門小屋に立ち寄る。普段あまり気にしない水のある生活が、どれほどありがたいか身に沁みる。
西朝日岳から見るスッキリしたピラミッドの朝日岳の手前に中岳のピークがあるが、何も考えず進んでいたら、中岳は
トラバースしたようである。誰もピークを踏まなかった文句はでず、むしろ喜んでいるところをみるとみんなの疲れもピークに達し
ているようである。
金玉水で水を汲み、最後の坂を登りつめると、周りはクルマユリなどが咲き乱れる朝日岳避難小屋に到着。
大朝日岳小屋管理人の大場さん(名前は後で知る)は85歳という。年齢を感じさせない若々しさと、元気、人懐こい東北弁で、
てきぱきと登山客をさばいていた。